大阪 Journal

日々を徒然に記述

だまされないで、健康食品のウソ・ホント

科学」にだまされないで 健康食品のウソ・ホント ホントが知りたい食の安全 有路昌彦" 「体にいい」とうたわれているものの多くには、いろいろと「非科学」の世界が広がっています。 問題なのは、非科学であるにもかかわらず、科学のふりをするものが巷にあふれていることです。 例えば比較的最近の例では、消費者庁からおとがめを受けたものとして「マイナスイオン」があります。 マイナスイオンの効果については懐疑的な意見を持つ科学者が多いにもかかわらず、 大手企業はあたかもそれが科学的に確立した機能のように商品を販売しているケースもあります。 科学論文を読む機会がない人々の間では、効果があることの方が常識になっているような状態です。 ■酵素は体内で分解される 食品の世界はさらにいろいろなものがあり、しかも次から次へと生まれてくるのでキリがありません。 今回は最近流行りの「酵素」について取り上げましょう。 ここで言う酵素とは「酵素ドリンク」など健康食品の世界でブームになっているものです。 そもそも酵素というのは高次のアミノ酸化合物(タンパク質)であり、代謝系に何らかの働きを もたらすものです。人の消化・代謝は酵素の働きによるものが多いことは広く知られています。 酵素は生命の活動の重要な要素になっており、それゆえ植物や動物などの多くの生物が 酵素を持っているわけです。そこから、「酵素を摂取すれば健康になる」とか、 「アンチエイジング効果がある」という話が出てきているようです。 ちょっと冷静に考えてみましょう。 タンパク質は体内に入るとアミノ酸に分解されて小腸で吸収されるというのは、 中学校までの生物で学んだとおりです。酵素もタンパク質の一種ですから、体内で分解され、 体内で必要な分だけ必要な形に合成され、生命の活動に使われます。 酵素を口から飲むと、分解されるわけで、その酵素の効能が得られるという科学的根拠は どこにも存在しません。 ■「科学者」にだまされない こういった非科学で問題になるのは、それを科学のように見せる科学者の存在です。 私も研究者としてこの点は特にはっきりしておきたいところですが、 学会で発表したとか、研究しているという程度のものを科学と呼んではいけないと思っています。 しっかりした学会の論文として、査読のプロセスを経て掲載され、 手順を踏んだものを科学と呼ぶべきと考えています。 例えばある食品を与えるグループと与えないグループの比較対象実験を行ったとします。 そのグループの差異を生み出す要素が、その与えた食品以外、完全に同じにしてこそ 実験の意味があります。しかし、その状況を整えることは、それほど簡単ではありません。 また統計学を専門としている立場から見ていると、統計の数字を都合のいいようにいじる人が、 残念ながら研究の世界には存在しています。そういったものを排除するのが 査読というプロセスなのです。 つまり、「○○大学の○○教授が効果があると言っている」は、科学的根拠にはなりません。 その先生の論文が、査読を経てその学会で認められてこそ、初めて効果があるという 科学的根拠になるでしょう。

全くその通り。と言うか健康食品の類はほとんど学問的な根拠は希薄なんじゃないか??プラシーボ効果でOKとしてしまうユーザーが多いような・・・。

科学立国なのにこの側面は全くお粗末である。