解説の冲方丁曰く最先端の物語。DNA解析による祖先検索サービス?、SNS、動画サイトなど道具立てが現代的。最終的にあるカルト教団に物語はたどり着くが、その裏には主人公である夫妻にも影を差す。スマホであらゆるものが情報としてやりとりができるようになり、ミステリーも書きにくくなった、あるいはスマホで取得できる情報を前提としてストーリーを組み立てることが必要になった現代は果たして面白くなったのか、そうでないのか?この小説の最後を読むと世の中知らなくてもよいことを知ってしまうのは必ずしも幸せとは言えないと考えさせられる。
clubhouseを使ってみた
news.yahoo.co.jpここ10日くらいで結構な盛り上がりの音声SNS。招待制なので、なかなか試すことができず。思い切ってヤフオクで招待権?を買ってしまい、早速アクセス。
使ってみると、SNSと言うよりは番組の乱立したラジオ?的な感じ。
中には、オーディエンスがいるのに内輪だけで盛り上がってるようなものもあれば、毎日定期的にニッチな情報を探しているルームがあったり、TVの裏音声のようなルームもあったりと玉石混淆な印象。中には、住民票をclubhouseに移したなんて言われる人が出るくらいにずーっと入りびたっている人もいる。コロナ下の環境もあっての盛り上がりという事情もあるであろうから、いずれ落ち着くのでは。
www.nytimes.comNYTIMESでによれlubhouseがインフルエンサー、クリエイター支援のパイロットプログラムを実施中とのこと。マネタイズのためにいろいろ変化が訪れそう。
たかが殺人じゃないか
このミス国内部門1位作品。
最初読み始めるとラノベのような雰囲気と、戦後直後というあまりなじみのうすい時代が背景のため、興が乗るまでやや時間がかかる。ただ、軌道にのってからはあっという間に読了。舞台が名古屋近辺なので、このあたりに土地勘のある人はより面白いかも。
戦後すぐの時期でいろいろなものが大きく転換する時期の戸惑いのようなものもよく描写されている。どことなく明るさも感じさせるが、戦争が終わって直後はそんな空気感があったのかも。また意外に豊かな学生生活が垣間見られるのも面白かった。ミステリというより青春小説の趣。それもあまり経験できない時代を描いたところが面白さ?
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文章術の本には、大抵わかり易い表現を使え、馴染みのない言葉はあまり使うべきでないと書かれることが多い。ただ、それでもこのコラムのような優雅な表現は使って見たくなるもの。
わかりやすさは重要ではあるが、それがすべてではないだろう。