大阪 Journal

日々を徒然に記述

椿井文書

www.amazon.co.jp偽書がいかに作られているかということを克明に綴った新書。偽書がいかに必要とされていたかという点を知ることができた(ある種その時代その時代の利権の裏付けのためととか)のが興味深く面白い。神社の由緒や地名をそれらしく設定し、また幻の神社の境内図をビジュアルで表現したりするとすっかりそれらしくなってしまう。一方でこの文書の作者もどこか偽書であることをばれるような痕跡を残すかのようにしているところもあるとのこと。

この偽書の主張の一部が実際に歴史を形作ってしまうところもあり(和邇の墓とか)、罪深いところもあるがそれも含めて人の営みからなる歴史というものなのかも。