大阪 Journal

日々を徒然に記述

帰らざる故郷

f:id:wfunakoshi235:20210515155855p:plain

帰らざる故郷

ジョンハートの新作。500ページを超える長編であるが、ほぼ一気読み。部隊はベトナム戦争末期の1972年ノースカロライナ、シャーロット。ベトナム戦争の影響が色濃く影を差すなか、家族の葛藤が描かれるミステリ。いまだにベトナム戦争後を描く作品が多いのはそれだけのものを米国に残したということであろう。いずれアフガン戦争や、イラク戦争のことも描かれる作品が増加するのかも。

この作品でも最新のセキュリティーシステムなども舞台装置として出てくるが、なにせ1972年。SONYPANASONICの名前も出てくるのであるが、この時代にPANSONICなんてブランドは実在したか?とも突っ込みできるようなところも。ネットやスマホの登場で、ミステリー作品もいろいろやりにくくなっているのかも。

帰らざる故郷

GW前の黒川温泉

f:id:wfunakoshi235:20210428194604p:plain

黒川温泉街

全国でコロナ禍がぶり返すなか、有給を取って、黒川温泉へ。宿をBooking.comで取り、高速バスで黒川へ。鄙びた雰囲気はなかなかで、農村の中にある温泉という感じ。

ただ、この折からのコロナの影響で夕食を取ろうにもやっている店がない・・・。コンビニもないので、事前にある程度お金をおろしていないと心許ない。これだけ有名な温泉地でもインフラが弱い印象。正月に行った渋温泉でも現金を下ろすの忘れて帰りにコンビニまで旅館の人の送ってもらうはめになってしまったが・・。

監視資本主義

www.netflix.com

Facebook,twitter,googleなどで枢要なポジションにいた人たちがネットやSNSが現状いかに人々の思想や行動に影響を与えているかという点に警鐘を鳴らす。

巨大企業が人々の生活に影響を及ぼすという意味では、今のGAFAMの生活への浸透度はそれこそ極めて深刻なレベルではないかと考える。正直、利便性を考えれば少々の情報をテック企業に売り渡したところで大したことはないと考えていたが、これを見てから少々考えが変わりそう。

マイシスターシリアルキラー

f:id:wfunakoshi235:20210314165731p:plain

マイシスターシリアルキラー

混沌と言える都のナイジェリアのラゴスが舞台で美貌の妹がシリアルキラーとこの設定だけでそれなりに興味が沸くこちらの作品。まあ、ナイジェリアもまだまだ経済的なレベルが高くもないので、スマホを普通に使っているこちらの主人公姉妹は上級階級?に属するのではないか。あまりモチベーション高く働かない病院の作業員や賄賂を求めてくる警察官などはアフリカ的であるが、それ以外の描写は先進国と遜色ない。アフリカだろうと南米だろうと、欧州だろうとそれなりの所得をもった階級の生活はかなりのレベルまで同質化しつつあるのかも。

ランナウェイ Hコーベン

f:id:wfunakoshi235:20210314164804p:plain

ランナウェイ

解説の冲方丁曰く最先端の物語。DNA解析による祖先検索サービス?、SNS、動画サイトなど道具立てが現代的。最終的にあるカルト教団に物語はたどり着くが、その裏には主人公である夫妻にも影を差す。スマホであらゆるものが情報としてやりとりができるようになり、ミステリーも書きにくくなった、あるいはスマホで取得できる情報を前提としてストーリーを組み立てることが必要になった現代は果たして面白くなったのか、そうでないのか?この小説の最後を読むと世の中知らなくてもよいことを知ってしまうのは必ずしも幸せとは言えないと考えさせられる。

ホテルネヴァーシンク

f:id:wfunakoshi235:20210309072939p:plain

ホテルネヴァーシンク

あるクラシックホテルをめぐる大河ストーリー?ミステリーというより文芸小説のよう。ホテルを舞台にしたある一族の一代記という感じ。謎の主体は割と早くわかる人にはわかる感じ。終幕が近くなると廃墟となったホテルを持て余すようになっている一族の描写が現在的?舞台であるキャッツキル山地はニューヨーカーの保養地のようなところとのこと。

キャッツキル山地

 

元カレの遺言状

f:id:wfunakoshi235:20210213095347p:plain

元カレの遺言状

アマゾン

このミス大賞、作者は現役弁護士というスペックと、冒頭の場面からうかがわれる主役のキャラクターのインパクトで最後まで読み終えてしまった。細かい粗はあるものの、筋立ては興味深かった。少々差し挟まれる渉外弁護士と町弁の違いなどの弁護士事情の細かい情報もアクセントに。

一方で設定やストーリーの流れにやや煮詰めが不足しているようなところも。